現代社会の重要課題、うつ病
うつ病は、現代社会の重要課題となっています。
精神障害の一種とも言われますが、単一の疾患ではなく、同じような症状を示す複数の疾患の総称、症候群です。
抑うつ気分、意欲・興味・精神活動の低下、焦燥(しょうそう)、食欲低下、不眠などが特徴です。原因もメカニズムもたくさんあり、いまだわからないことが多いうつ病ですから、決定的で効果的な治療法というものも確立されていません。
薬物だったり休養だったり、その人と状況と原因によって治療法はさまざまですが、東洋医学である鍼治療もまたうつ病に効果があると認められました。
うつ病に対する鍼治療の効果の発見
イギリスのヨーク大学の調査で、鍼治療がうつ病に対する効果を持っているという可能性が発表されたのです。
うつ病は薬物治療でも半分は効果なしと言われます。
この大学では薬物治療と鍼治療を比較した研究をし、投薬とカウンセリングに鍼治療をプラスした場合、通常のうつ病の治療よりも優位に効果があったとしています。
考えられる原因としては、鍼治療によって神経伝達物質であるエンドルフィンの分泌が促されたのではないかと見られています。
神経伝達物質エンドルフィンとは
エンドルフィンは脳内麻薬とも呼ばれ、多幸感をもたらすと考えられています。
たとえば苦痛を感じた場合にそれを和らげる働きをしたりする報酬系の神経伝達物質です。
長距離ランナーが快感を得るとされるランナーズハイの原因としても有名ですね。
鍼治療がうつ病に与える影響とは
うつ病の原因にはストレスや自律神経、副交感神経の失調などさまざまなものがあり、これといった決定的な治療法はとくにありません。
しかし、複数あるうつ病の原因にアプローチできる「可能性が鍼治療にはあります。
鍼治療は、硬くなっている筋肉を和らげ、血行を良くする効果があります。
これは心身ともにリラックスした状態を促し、副交感神経の調子を整えることになります。
うつ病に対する鍼治療は、とくに電気鍼の効果が高いとされています。
鍼治療本来の効果、電流を含めた単純な物理刺激、副次的な効果としてのリラックスして、不眠を改善など、さまざまな方面からのアプローチがあることは、うつ病に対する鍼治療の効果に期待していい材料であると言えそうです。
(個人差があり)